BVLGARI Il Cioccolato, Chocolate Gems for Sustainability
ブルガリ イル・チョコラートから、新作チョコレート・ジェムズ※1 が発表されました。
温かみと味わいのあるシックな和紙ボックス入りのジェムズたちは、これまでのコレクションとは明らかに異なる雰囲気を放っています。聞くところによると、この和紙の中にはマーケットに並ばなかった規格外の紫陽花や紅花、さらには工房周辺で拾われたお花などが入っているのだとか。
今回の新作は「チョコレート・ジェムズ・フォー・サスティナビリティ"Chocolate Gems for Sustainability "」と名付けられているように、さまざまな理由から行き場を失ってしまった素材や食材たち、そしてエシカル消費の考え方に配慮して生産されたカカオが使われています。
これらはブルガリが掲げるCSR(企業の社会的責任)※2 への積極的な活動の取り組みのひとつとして、食品ロス問題、伝統工芸の保護に貢献することにより、環境や社会と向き合い、サスティナビリティ(持続可能性)とは何かを考えようとするものだそうです。
【画像】
新作「チョコレート・ジェムズ・フォー・サスティナビリティ」の3種類の限定チョコレート
【註釈】
※1 チョコレート・ジェムズ
ブルガリでは粒チョコレートのことを宝石になぞらえて「ジェムズ」と呼んでいます。
※2 CSR(シー・エス・アール)
Corporate Social Responsibility (コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)の略。企業が利益を目的とするだけでなく、倫理的な観点から事業活動を通して、自主的に社会に貢献する責任のこと。
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佐賀県の名尾手漉き和紙BOX
今回のBOXに使われている佐賀市の伝統工芸品・名尾手すき和紙は、300年以上の歴史があり佐賀県重要無形文化財の指定されています。この地には昭和初期まで100以上の工房が存在したようですが、時代の変遷とともに減少し、今では肥前名尾和紙工房1軒となってしまったそうです。名尾手すき和紙の特徴は、名尾地区に自生するカジノキを使っていること。カジノキは通常和紙の原料として使われるコウゾに比べて繊維が長く繊維同士が絡み合うため、薄手でも丈夫な紙ができるのだとか。
今回はそこに規格外などの理由から出荷できなかった草花を混ぜて作ったブルガリ イル・チョコラートのオリジナル。混ぜられる草花がその都度異なることもあり、BOXごとに違った風合に仕上がるのも魅力です。
また昨年からBOXの内側のカバーは、プラスティックから紙製に変わり、環境保護への配慮もされるようになりました。
味覚はもちろんのこと心身共に癒されるような新作でした。限定販売とのことなので、早めにブルガリ イル・チョコラートに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
text © Mika Ogura 2021
【プロフィール】
小椋三嘉(おぐら・みか)
エッセイスト、食文化研究家。
十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。
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Chocolate Gems for Sustainability 【チョコレート・ジェムズ・フォー・サスティナビリティ】 行き場を失った食材や環境に配慮したカカオを使った 3種類の限定チョコレート・ジェムズ 佐賀県の手漉き和紙BOX入り 価格:4,000円(税込) |