2020/12/09

OKADA MUSEUM CHOCOLATE『WHITE』





岡田美術館のチョコレートブランド「Okada Museum Chocolate」から新作 『WHITE』が届きました。

新作は5種類すべてがホワイトチョコレートでまとめられていて、「パイナップル×バニラ」、「リンゴ×塩キャラメル」、「グレープフルーツ×アールグレイ」は、どれもフルーツ感たっぷり。チョコレートでありながら、まるでパティスリー(ケーキ)のような味わいです。

そして直方体をした二種類のショコラは、一つは甘酸っぱいベリーとナッツのマッチングが絶妙な「ベリー×プラリネ」、もう一つは玄米の香ばしさと抹茶の風味が新鮮な味わいを奏でる「抹茶×玄米」。どちらもザクザクした食感が楽しい。

19世紀末のアール・ヌーヴォー※1 を代表するフランスのガラス工芸家エミール・ガレ※2 やドーム兄弟※3 の作品から着想したというだけあって、見た目も味わいもうららかな春の陽光を浴びたような華やぎのある仕上がりになっています。

数年前に岡田美術館の特別展『魅惑のガラス ガレ、ドーム展 ―東洋の美に憧れて―』※4で観賞した、ドーム兄弟の「ベニウチワ文花器」を始めとする美しいアール・ヌーヴォーのガラス工芸作品の数々を想い出しました。

ちなみに新作『WHITE』は日本橋三越本店と伊勢丹新宿店の限定商品(詳細は続く情報欄でご確認ください)です。この展覧会はすでに終了しているので、今回は掲載した作品画像と共に味わってみてはいかがでしょうか?


text © Mika Ogura 2020


【プロフィール】

小椋三嘉(おぐら・みか)
エッセイスト、食文化研究家。
十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。


【画像上】「Okada Museum Chocolate」の新作『WHITE』



ドーム兄弟『ベニウチワ文花器』
1904~10年頃



    Okada Museum Chocolate『WHITE』
  (上・左から右へ) ベリー×プラリネ、抹茶×玄米
  (下) グレープフルーツ×アールグレイ、リンゴ×塩キャラメル、
             パイナップル×バニラ





【註釈】

※1 アール・ヌーヴォーとは
フランス語で〈新しい芸術〉を意味し、1890年代から1910年代までのおよそ20 年間、フランスを中心にヨーロッパ各地で流行した芸術様式で、植物的なモチーフや優美な曲 線文様が大きな特徴です。ガレとドームのガラス作品には、花や草木を愛で、自然そのものを愛おしむ、優しく温かい眼差しが感じられるとともに、その絵画的なデザインや具象的な器形は、個々の物語やメッセージを秘めているようでもあります。

※2 エミール・ガレ (1846-1904) 
アール・ヌーヴォーのガラス工芸家。フランス東部の古都・ナンシーで、良質なガラス器と陶器の販売業を営む 父シャルル・ガレの一人息子として誕生。ガレは、18歳で父の工房に入り、31歳で父から会社の経営を引継ぐと、ガラス、陶器、家具の装飾を専門と する独自の工房へと発展させました。幼いころから文学や哲学、植物学など幅広い分野に通じたガレは、企業家としてのみならず、デザイナーとし ても類まれなる才能に恵まれ、経営と制作の両方に携わる総合的なアートディレクターとして活躍します。1878年のパリ万博で成功をおさめて以来、その後2度の万博でグランプリを獲得し、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家として名を馳せました。

※3 ドーム兄弟 (兄オーギュスト:1853-1909、弟アントナン:1864-1930) 
アール・ヌーヴォーのガラス工芸家。父であり創業者のジャ ン・ドーム(1825-85)が始めたガラス製造会社の経営を、長男オーギュストが任されると、デザイン担当の三男アントナンとともに装飾工芸ガラ ス部門を立ち上げ、美術工芸品としての高級ガラスの製造をはじめました。 ドーム兄弟は、ガレの成功に影響を受けながら、数々の万国博覧会に参加 し、新たなガラス技法の開発を行うなど、ガレに匹敵するほどに活躍しました。時代の流行に即した経営方針を得意とするドーム工房は、1878年の 創設以来、130年以上続く高級ガラスメーカーとして、今も世界的に知られています。

※4 『魅惑のガラス ガレ、ドーム展 ―東洋の美に憧れて―
日本の文物がヨーロッパに正式デビューした1867年のパリ万国博覧会。それから150周年の節目を迎えた2017年に開催された岡田美術館の特別展。

下記の期間・会場にてそれぞれ開催されました
『ガラス工芸の精華 ガレとドームの世界展』
2017年1月18日(水)~2017年1月23日(月)
日本橋三越本店 新館7階ギャラリーにて
魅惑のガラス ガレ、ドーム展 ―東洋の美に憧れて―
2017年4月8日(土)~2017年7月21日(金)
岡田美術館にて





















*●*

 Okada Museum Chocolate 
『WHITE』5個入 2,801 円(税込)

左から
パイナップル×バニラ
ベリー×プラリネ
リンゴ×塩キャラメル
抹茶×玄米
グレープフルーツ×アールグレイ


<< 販売情報 >>

三越伊勢丹オンラインストア >>
期間:2021年1月6日(水)〜2月2日(火) 
*オンラインストア公開予定日 : 1月4日(月)

日本橋三越本店「スイーツコレクション2021」>>
期間:2021年2月2日(火)〜2月14日(日) 
開催時間:午前10時〜午後7時
最終日 午後6時終了
場所:日本橋三越本店本館7階=催物会場 

伊勢丹新宿店「スイーツコレクション2021」>>
期間:2021年2月5日(金) ~2月14日(日) 
開催時間:午前10時〜午後7時
最終日 午後6時終了
場所:伊勢丹新宿店本館6階=催物会場 


<< 展覧会情報 >>

岡田美術館 特別展
『没後 220 年 画遊人・若冲
―光琳・応挙・蕭白とともに―』

期間:2020年10月4日(日)~2021年3月28日(日)
開館時間:午前9時〜午後5時

展覧会の詳細はこちらから>>


岡田美術館
神奈川県足柄下郡
箱根町小涌谷 493-1

ミュージアムショップ
営業時間
午前9時〜午後5時
(休業日:美術館開館日に準じる)
ミュージアムショップのみの利用可

お問合せ
TEL: 0460-87-3931(代表)



https://chocolatclub-news.blogspot.com/2019/12/ogura-mika-tasting-index.html


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