ショコラータはかせとしあわせのボンボンショコラ
~ハッピーローズ だいさくせん!~
絵本『ショコラータはかせとしあわせのボンボンショコラ』が届きました。兵庫県三田市にある〈パティシエ エス コヤマ〉のオーナーシェフ、小山進さんの『ビートルくんと きんいろの バウム』に続く、第3作目となる絵本です。
【画像上】絵本『ショコラータはかせとしあわせのボンボンショコラ』より
物語は、豊かな自然が失われたことで人々の心は荒れ果ててゆき問題ばかり、そんな状況を良くしたいと願うショコラータはかせは、古書で知った “つきのなみだ” というカカオから作るボンボンショコラで人々の心を癒そうと考えます。
カカオを探す旅に出たショコラータはかせは、はたして夢のカカオに出逢えるのでしょうか。そしてボンボンショコラ “HAPPY ROSE” を作り上げて、人々をしあわせにできるのでしょうか…。
ちょっぴり種明かしになってしまいますが、この絵本に登場するボンボンショコラ “HAPPY ROSE” 4種を味わってみました。「バラ色の人生」という歌が象徴するように、作者の小山さんによれば幸福をイメージさせるバラの香りを基調にしたそうです。
絵本は可愛らしい冒険物語ですが、華やかでエレガントな風味のボンボンショコラはコアな大人のショコラファンも虜になりそうです。赤紫蘇が、あんずが、バナナと柚子が、青リンゴが、これほどバラの風味と調和するなんて…。
独創的なチョコレートのマッチングが愉しめて、物語を読んだあとの味わいと共に、この上もなくしあわせな気分に浸れました。
text © Mika Ogura 2021
【プロフィール】
小椋三嘉(おぐら・みか)
エッセイスト、食文化研究家。
十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。